大阪のソウルフード「あぶらかす」

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その土地土地にソウルフードと呼ばれるものがあります。
定義としては、その地域に特有の料理や、その地域で親しまれている郷土料理ということ。

大阪にはソウルフードといわれるものが、多いのではないかと思っています。
たこ焼きをはじめ、お好み焼き、串カツ、ふぐ鍋等々。
数えれば、他の地区よりも多いのではないか。流石、食い倒れの街大阪。

その中でも、他の地区ではあまり見聞きしないソウルフードがあります。
それは「あぶらかす」。

関西のあぶらかすは、牛の内臓肉を時間をかけて油で揚げ、小さく切り分けたもの。
中が柔らかく、外側がかりっとしていて香ばしい食材で、いろいろな料理に使用されています。
【油かす(あぶらかす)】
 油かす(あぶらかす)とは、食肉から食用油脂を抽出した残滓を利用した食品である。畜産物を生産・消費する地域の一部で見られる。類似の食品は全国に存在するが、それらの原料や製法は様々で、その成り立ちや文化的係累も違う、それぞれ異なる食品群である。
<製法>
 本来は食肉の脂身や内臓などを鍋の中で加熱し、油脂を取り出した後の副産物である。しかし、現在加工食品として販売されている物はこれとは違い、牛の小腸や豚の胃、鶏の皮などを低温の油で揚げて水分を飛ばした物が一般的である。(大阪の油かす、広島のせんじがら等)スルメのように硬く噛み応えがあるため、乾燥食品と誤解する人もいる。
引用元:Wikipedia

新世界に行ってみる

この日は、少し朝早く移動しなければなりませんでした。

関西国際空港からお昼前の飛行機で、次の目的地に行かなければならず、道頓堀近くのホテルに宿泊してしまった私は、少し失敗したかなと思っていました。

せっかく大阪に来たのだから、できるだけ楽しんでからこの地を離れたい。
前日の夜は結構、道頓堀界隈で飲み食いしましたが、何かここでもう一つ楽しめることはないかと考える。
しかし、朝の道頓堀は前夜と打って変わって喧噪もなく、余所者の私にとっては肩透かしを受けてしまいました。

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そこで、新世界なら何かあるかもと思い、とりあえず早めに宿を出て地下鉄堺筋線の日本橋駅へ。

一駅となりの恵美須町駅で下車。
西の秋葉原である大阪の電気街「日本橋」も、まだ朝の8時過ぎではコンビニか牛丼屋しか開いていない。
秋葉原もそうであるが、朝の電気街というのは何とも素っ気ないものです。
とりあえず何をするでもなく南に歩き、新世界へと向かいました。

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この時間だと新世界の商店街の人通りも少なく、寂しい感じ。
昔ながらのお店も、観光客目当てのお土産屋さんも開店前。
果たして何を食べようかと思案しながら歩いていると、「かすうどん」の看板に目が留まりました。

「大阪名物 元祖 かすうどん」
ジャンジャン横丁の近くに看板を掲げる「あぶらや」さんだ。
どうやらお店は開いているようだったので、入ってみることに。



あぶらかす+うどん=「かすうどん」

「かす」という名前からは、「天かす」を想像してしまいますが、もちろんここでは「天かす」ではありません。
それは、大阪のソウルフード「あぶらかす」。

このあぶらかす、高タンパク・低脂肪・コラーゲンたっぷりとあって、注目を集めているそう。
私もそういえばTVやネットで見たことがあります。

屋台風の店構えで、食券を事前に買うスタイル。
かすうどんは450円、油かす2倍うどんは600円とのこと。
私はあぶらかすが初めてだったので、普通のかすうどんを注文しました。

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関西のうどんらしく、つゆは澄んでいて、出汁がよく効いている。
薬味はネギ、具材はカマボコ一切れに、あぶらかすが少量。

かすを口に入れてみると、肉の旨みが凝縮されています。
外はカリっとしていて、中はやわらかく、歯ごたえも味もなかなかよい。

なるほど、うどんととてもよく合い、肉うどんよりあっさり食べることができました。

kasuudon

食べ進めるうちに、油かす2倍にしておけばよかったなと後悔。
正直、この量では少し物足りませんでした。
あぶらかすを1~2切れ、口に放り込んでうどんを啜る。
もっと、あぶらかすを堪能したかったな。

しかし、楽しみは次に取っておきましょう。
JR新今宮駅までの食後の散歩の道々、次の来訪に思いを巡らしました。


お店の情報
店名:あぶらや
場所:大阪府大阪市浪速区恵美須東3-1-15
時間:8:00~20:00
定休日:なし
電話:06-6634-7888